鼻の症状(鼻水、くしゃみ、鼻づまり、鼻血など)
鼻は呼吸や嗅覚、声の共鳴に関わる大切な器官です。鼻の症状には、鼻水、鼻閉(鼻づまり)、くしゃみ、鼻血、いびきがひどい、鼻の奥が痛い、においを感じないなどがあります。それぞれの症状と代表的なご病気をご説明します。
鼻のおもな症状と病気
副鼻腔炎(蓄膿症)
副鼻腔炎とは副鼻腔と呼ばれる鼻へつながる空洞に炎症がおこる病気です。黄色や緑の鼻水がでたり、後鼻漏(鼻水が喉へ垂れ込む)や嫌なにおい、顔の痛みを伴うこともあります。炎症により生じた膿が鼻腔へ排泄されずに溜まってしまい慢性化することもあります。慢性の副鼻腔炎は、蓄膿症と呼ばれることもあります。一般的な治療方法は内服治療ですが、内服治療で改善しない場合は手術になることもあります。歯肉炎や歯周炎といった歯の炎症や腫瘍や真菌(カビ)が原因になったりもします。当院ではCTを導入しており、副鼻腔の状態を把握し正確な診断と適切な治療の選択を行います。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は花粉やダニ・ハウスダストによるアレルギー反応でサラサラとした鼻汁やくしゃみ、鼻づまりなどの症状が生じます。目のかゆみや喉のかゆみ・イガイガ感を伴うこともあります。ダニやハウスダストが原因の場合は症状は1年中生じる可能性があります。花粉が原因の場合は特定の期間(花粉が飛散する時期)のみ症状が生じる可能性がありますが、複数の花粉が原因になっている場合もあり症状が長期に続くこともあります。スギ花粉症とダニアレルギー性鼻炎には舌下免疫療法という根治を目指せる治療方法もあります。ご希望があればご相談ください。
鼻血
鼻の粘膜は血流が豊富で特に原因もなく出血することがあります。また、血圧が高い方や血をサラサラにする薬を飲まれている方はなかなか止まりにくかったりもします。お子様の場合は手や指の刺激で出たり、何もしていなくてものぼせたり興奮したりしても鼻血が出る場合があります。冬の寒い時期は血圧が上がりやすく出血しやすかったり、アレルギー性鼻炎がひどくなる花粉症の時期は鼻をたくさんかむせいで出血したりもします。
鼻血を止めるには
- 血圧を不要に上げないように落ち着いて座ってリラックスします。
- ややうつむき加減になり、口に回ってきた血液は飲み込まずに口から出します。飲み込んでしまうと、気持ち悪くなり吐き気の原因になります。
- 鼻の柔らかい部分を指でつまんで圧迫する。
- 15分ほど圧迫しても止血しない場合は耳鼻科を受診してください。
嗅覚障害
においの感覚に何らかの異常をきたす病気で「嗅覚異常」とも言われます。嗅覚障害は風邪やインフルエンザなどの呼吸器系感染症や、花粉症などのアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎を原因として発生することがあります。嗅覚障害の治療は主に投薬による治療となります。